FLOWERS フラワーズ
(C)2010「FLOWERS」製作委員会
昭和11年の春。凛は、親同士が決めた結婚に悩んでいる。絶対的な家長としての父親、従順な妻としての母親に育てられた彼女は、このままだと自分も母のような生き方をしなければならない。そう思うと不安だった。婚礼当日、結論をだせないまま家を飛び出してしまう。それから時は流れ、昭和30年代。凛の長女・薫、次女・翠、三女・慧は、高度経済成長の中で、大人としてそれぞれ歩き始めていた。薫は、大学教授真中と結婚。夫を支えていくことが自分の喜びと確信し、幸せな日々を送っていた。翠は出版社に勤めるキャリアウーマン。交際相手の菊池からプロポーズされ、結婚と仕事の間で心は揺れ動く。昭和52年、秋。日本は成長を遂げ、誰もが安定した家庭を築きあげていた。三女の慧は、夫と娘の3人で平凡に暮らしている。2人目の子供を妊娠した。生まれつき体が弱いため、2人目の出産は厳しいと医者に言われていたが、どうしても産みたいという。平成21年。慧の長女奏は、ピアニストになるため上京して15年の歳月が流れていた。年下の彼から別れを切り出され、妊娠していると知りながら、それを受け入れる。夢も自信も失い、一人で子供を育てられるのか不安になる。そんな時、祖母。凛の訃報が届き、実家に帰省するのだった。